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双頭の鷲 [演劇]

先日、テレビで美輪さんが今回の舞台が最後になるかもしれない…
と、いった様な事をおっしゃっているというのを見たんです。
いつもタイミングを逃していて、何度も悔しい想いをしていた美輪明宏さんの舞台。
えーー、最後とか言われるとなー、今回はなんだろー?と思い、確認してみましたら、
なんとコクトーじゃないですか!!絶対行きたい!!
 
忙しいとか余裕がないなんて言って、頭に栄養をあげないのはやっぱり悪い事だと思い、
けれど当日券をゲットするにもどうしよう…なんて考え、
やっぱり美輪さんを愛している友人を誘い、且つ当日券の確保を依頼したところ、
1番いい席が取れたーー!!
ありがとう!!友人!!
パルコの当日券っていつもマジックだ。
しかも気合いを入れてもらって取ってもらったのに、その日の当日券は友人しかいなかったの?(でも満席でした)1番でした。

これまでコクトーに何度も頭の中をえぐられる様な感じを与えられてきた私ですが、
「双頭の鷲」は正直全く前知識なしで拝見させていただく事に。

会社からダッシュで劇場に行き、ロビーの花の数々に圧倒され、
席で息を整え赤い重厚な幕をみつめながら、これから始まる3時間がどんな物になるだろう…、などとあれこれ考えていたのですが、
早い!早かった!
あっという間の3時間でした。
めずらしく2回の休憩を挟んでのお芝居だったのですが、
休憩の間がちょうど良く、でも休憩中もずっと頭の中でコクトーの詩がぐるぐる回っていて、休憩にならなかった(どのみちトイレの列に並ぶ気にはなりませんでした…)。
私は休憩タイムが苦手なタイプなんですが、それでも休憩時間がまだかな〜って、考えちゃうお芝居もあるんですよね。長ければ長い程。
でも今回は本当に休憩がうっとおしかったくらい。

そして齢300歳の美輪さんが演じる31歳の王妃がめちゃくちゃかわいいんです…。
本当に恋をしているかわいさなんです。
胸がきゅうーーって。キュウーってなったああ。

そして自分大丈夫??って思うくらい、号泣してしまいました…。
恥ずかしい…。さぞおかしな客に見えたろうに。
感動するにしても泣き過ぎ。
でもおかげで美しい詩で胸いっぱい。

帰りはいつもの人間関係でワインを飲みながら、
観て良かった、諦めなくて良かった、と言い合い、
且つ、役者である友人から思いがけない朗報を聞かされ、
本当に最高の一日になりました。

どこを撮ろうか悩んで、やっぱりここ?

自分で本を読むのもいいけれど、美輪さんが語るコクトーってのが良かったな〜。

演出もすばらしかった。
ただ引退?を考えているというだけあって、やっぱり3時間は大変だろうなあっていうのがわかる瞬間はあったんだけど、それでも観客をぐわっと掴みこんでしまうところはすんごいです。
しばらくは美輪さんの「ほほほっ」笑いが止まらなそうです。


琥珀さとこ



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